「僕らは政治活動家とロックバンドの中間的存在」
ギタリストのトム・モレロが自らのバンドをこう表現した。
'93ロラパルーザで歌詞検閲団体PMRCに抗議するため、
口にガムテープを貼り全裸で15分間無言でステージに立つという事件を起こしたり、
'94年の北米自由貿易協定発効に伴ったメキシコ政府による土地の強制国有化により、
私有地を奪われたチアパス州の民衆は武装蜂起。
20世紀初めのメキシコの英雄エミリアーノ・サパタにちなんで名付けられたこのサパティスタ運動に参加。
背後で操るアメリカ政府を痛烈に批判した。
また冤罪囚問題でも警官殺害容疑者の弁護費用を作るためのコンサートを行ったり、
GUESSが移民を不当な低賃金で酷使しているという抗議デモに参加したりして逮捕されている。
ヘヴィメタルやパンクロックにはセックス、暴力、悪魔などといった、
頭の固い大人たちが検閲したくなる気もわからないでもない内容のものがあるけれど、
ポジティブなメッセージを伝えるために幾多の苦闘を強いられてきたバンドは彼ら以外はいない。
凄まじく暴発するリフ、絡み付くラップ、響く絶叫。
「サンフランシスコのゲイ、南アフリカの黒人、ヨーロッパのアジア人、イスラエルのパレスチナ人、
サンクリストバルの先住民、土地を奪われた農民、地下刊行物の刊行者・・・。
サパティスタは世界中の抑圧された人々の象徴なんだ!」バンドは消えても彼らの魂の叫びはさまよい続ける。
1970年代後半僕が小学校三年生の秋、衆議院選挙最終日。
外に出てロクムシで遊んでいた僕らのヨコを選挙カーが通りがかった。
お姉さんやおじさんたちが、マイク片手に手を振っていたので僕がとっさに手を振ると、お姉さんの絶叫が響いた。
「ご声援ありがとうございまーす!」
すると、みんなが一斉に僕の方にかけよってきて
「すごいな〜5千円だって!?」と言うと僕を素通りして選挙カーを追いかけると、
左手を差し出しながら右手で手を振って声をかけ続けた。
「ごせんえ〜ん!ごせんえ〜ん!」
お姉さんはにっこりと微笑んで何度も「ご声援ありがとうございまーす!」と子供の僕らにも手を振り続けた。
そのあと街の選挙ポスターを見つけた僕らは、あのお姉さん(もちろん候補者ではない)以外の写真の人の顔に
それぞれ鼻毛を描いたり、怒りマークをこめかみに描いたり、
黒目のところを抜いたりいろんないたずらをして帰った。
そしてこれを機に、とってもちっぽけな僕の地道な反体制主義的政治活動は始まった。
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