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毎度どうも、太田です。

空気がめっきり秋の香りです。
近頃は暑さも和らぎ、外にテーブルを出してたこ焼き(直径8センチの巨大たこ焼き器があります。
いろんな具を一緒くたに入れられて楽しいのでおすすめです。)をしたり、
網で魚を焼いたりして食事をしています。おいしくて節約もできてなかなかいいです。
鍋やフライパンや鉄板など、ちょっとずつつくっていこうと思います。

先日、知り合いの小学3年生の女の子の夏休みの宿題、自由研究のお手伝いをしました。
つくることをなりわいとしていると仕事だけでなくこういった依頼がたまにあったりします。
私にはつくる人がまわりにいなかったので、自由研究では魚の解剖をしたり、作曲をしたりしていました。
近所にこんなお姉さんがいたらよかったのに、あの頃の私に教えに会いにいきたい!
と、無理なことを思いながら、なにを教えてあげようか、一晩考えこみました。

以前に2度ほど、小学生に鍛金を教える、というワークショップをしたことがありますが、
子供にモノつくりを教えるのは、怪我や火傷の心配や、興味をひいたり集中力を保たせたり
理解し易いようにあれやこれやの実演やトークなど、いろんなことに気をくばらなくてはなりません。
また、ワークショップのつきそいで来られたお母さんやお父さんのほうがモノつくりに興味しんしんで、
子供そっちのけでハマってしまったりするので、ほっとかれた子供がグズる場合もあり、いろいろ大変です(笑) 

大変なのですが、子供のつくるものを見ると、ハッとすることが多いです。
絶対わたしこんな味だせないよ!というような、名作が生まれる瞬間を見るのがとても楽しいです。


例・友人の橋本瞳さんの鋳造の作品です。いろんな国を銀で鋳物にしています。左から、グリーンランド、インド、ブラジル、アラスカ、オーストラリア、メキシコです。


ブラジルです。

そして今回、「鋳造」を教えることにしました。
溶けた金属を、型に流しこみ、成形する方法です。
鋳造でつくられたものには、
鉄だと南部鉄器やマンホール、ブロンズでは奈良の大仏、
銀だとたとえば身の回りのアクセサリーのほとんどは
鋳造でできています。

私の工房は、金属の板を叩いたり、曲げたり、
接合したりする設備が主なので、
鋳造の設備は特にありません。
そこで、簡単にできる鋳造、安全で短時間でということで、
流しこむ金属に「Uアロイ70」というものを選びました。

Uアロイ70とは、錫と鉛、ビスマスやカドミウム、
インジウムの合金で、溶ける温度(融点)が70度という、
非常に低い融点の金属です。
70度ということは、少しぬるめのお茶くらい、
チョコレートを溶かすような湯せんでもってとろとろになってしまう、
なんとも手軽な合金です。
ちなみに、鉄の融点はおよそ1500度、プラチナ1800度、
金1100度、ステンレス1600度、
銀1000度、ブロンズ900度。
マグマの温度が800〜1200度ですから、
金属の溶ける温度がどれだけ高温かがなんとなく分かりますよね。
Uアロイの融点70度というのは、かなり驚きの低さなのです。


油土の原型に石膏をかぶせました。


石膏が固まって、裏かえしたところ。


油土をかき出します。


無事な石膏の型たち

さてかたちづくりです。
まず好きなものを油土(ゆど)でつくってもらいます。
それを原型として、流しこむ型をとります。
「なにをつくろうかな。」
つくっては壊し、なかなかこだわりをみせてくれました。
できたのは鍵とポンデリング(ミスタードーナツ)と
四葉のクローバー。
ついでに私も、鍵と鳥をつくりました。

そしてできた原型を板に置いて、水で溶いた石膏をかぶせます。
科学反応による熱がひいてきたら、硬化の合図です。
板からはずして、油土をきれいにかきだします。
これで型の完成です。
ブロンズなどを鋳込む(いこむ)場合には、
この石膏型を焼いておかないと、
石膏の水分で水蒸気爆発をおこしたり、
割れたりしてしまいますが、Uアロイなら大丈夫。


チューブと、Uアロイと錫


Uアロイを溶かしています。


流し込みます。

ためしに錫を鋳込んでみたら、
溶けた金属が飛び散ってしまい、こんなありさまに。
危険です。
チューブにちょくせつ石膏をかけて
Uアロイを鋳込んだもの(左)と、錫を鋳込んだもの(右)。



金属がうまく流れているかな


石膏を割ってとりだした、私の鍵と鳥

そしてUアロイが冷めたら、石膏型からはずします。
そのままうまくはずせたら、再び流し込むこともできます。
はずせない場合には、割ってしまいます。



やすりをかけています。

取り出した作品のはみでた部分や、バリをやすり、
サンドペーパーで磨いて完成です。
机でやする姿もなかなかさまになっています。
「むずかしいよ〜」
とは言っていましたが、とてもよくがんばりました。
皮ひもを通して、ネックレスにしました。



とちゅう狭い工房で追いかけっこなどしたり
脱線もしばしばありましたが、
ワイワイ、私も楽しくつくることが出来ました。
なにより、今回の経験で、
モノつくりに興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。
つくるということが分かると、逆に壊すということが分かります。
すると、まわりには大切なものがたくさんある
ということに気づきます。
そんなことに気づけたら、
いろんなことを大事にしていけるんじゃないかなと思います。


出来上がり!これはももちゃんの鍵です。曇り無きまなこによる名作。欲しい。

これを読んで下さっている世のお父さんお母さん、
来年の夏の自由研究に、Uアロイの鋳造、オススメです!




お知らせ


展示イベントに参加します。
代官山ユニットにて行われる「Spoon Market」


IIDでの現代手工業乃党による展示会
「誰かの為のギフト&トロフィー」展にお越しいただきました
tokyo pinsalocksさんという女性バンドに
お声をかけていただきました。
展示会でつながる面白い出会い!


「Spoon Market」

2008年9月21日(日曜日)
15:30〜21:00 
代官山ユニット
東京都渋谷区恵比寿西1−34−17 ザ・ハウスビル




「映画が好き。ファッションが好き。音楽が好き。
アートが好き。カフェが好き。」

東京には、キッチュでコケティッシュで、
カワイイものがたくさんつまっています。

音楽、アート、ファッション、フード・・・
たくさん素敵な空間を発見して、ワクワクします。

そんなワクワクを、たくさんの人と
一緒に共有するためにこのイベントは生まれました。

Heaven's doorのHollyと、tokyo pinsalocksがセレクトした
こだわりを持ったガールズクリエイターが中心となってオープンする、
一日限りのマーケット

それが「Spoon Market」

昨年はクラブ風オールナイトでしたが、今年は日曜の昼間。
ひとクセもふたクセもあるアーティスト達の遊び場を
休日にマーケットに掘り出し物を探しに行く感覚で、
ぜひ覗きに来てください。



[Live]
tokyo pinsalocks/
HALCALI/
NIRGILIS/
FLIP FLAP/
80_pan/
Stoned Green Apples

[DJs]
Dr.USUI(a.k.a MOTOCOMPO)/
DJ NOZICO (JVCFORCE TYO)/
Wac

[VJ] YUKIKO

[ART EXHIBITIONS]
美島菊名(Photography)/
太田彩子(Metal Works)/
小林千鶴/
keicov(Felting works)

[SHOPS] goadejavuuu(Accessories)/FRoLic

[Hair Arrangement] naomi(MINT)

[Food] Bon Bon Party (Japanese Sweets)

open/start 15:30 ticket: \3,000 / \3,500 (D別)
ぴあ 8/1〜発売 (Pコード:299-583)
info. 03-3413-9331 (ヘヴンズドアカンパニー)


studio MIRA (スタジオミラ) 太田彩子

どこまでも行きます
業務内容 金属を主に用い、パブリックスペースのシンボル
となるような彫刻、装飾の提案、制作
MAIL ota@ayako-mira.com
URL http://www.ayako-mira.com
略歴
太田彩子(1981生)
2005 武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科 卒業
2007 東京藝術大学大学院修士課程鍛金専攻修了
studioMIRA設立


#21 2008.11.15 よみがえらせる人
#20 2008.10.15 久里浜の家
#19 2008.09.15 夏の宿題、自由研究
#18 2008.08.15 花、花、花
#17 2008.07.15 ギフト&トロフィー 展示会に向けて
#16 2008.06.15 築城〜途中編〜
#15 2008.05.15 フラワーデザイン
#14 2008.04.15 編む人
#13 2008.03.15 絵を、イメージを、実物とする2
#12 2008.02.15 アコースティックギター
#11 2008.01.15 卒業制作
#10 2007.12.15 金属の不思議
#09 2007.11.15 背中見せる人
#08 2007.10.15 背中見せる人
#07 2007.09.15 これからの人
#06 2007.08.15 南の太陽の下にいる人
#05 2007.07.15 金歯つくる人
#04 2007.06.15 現代手工業乃党
#03 2007.05.15 古い木造の建物のなかに、ピカピカのお仕事がありました
#02 2007.04.15 絵を、イメージを、実物とする
#01 2007.03.15 みんなのものつくり わたしのものつくり