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明けましておめでとうございます。

あっという間に2008年です。
3月いっぱいまでの学校勤務も、残すところあとわずか。
学生の卒業制作と共に締めくくりとなります。

卒業を迎える学生は皆、1月24日の提出までに、ラストスパートをかけているところ。
終わらないかもしれない、失敗できない、もっともっと良くしたい、学生最後の大作
と、表情に集中や焦りや疲労が現れて、完全燃焼を目指す人間の、いい顔になってきている時期です。
私は、人間のこんな顔が一番好き。

卒業制作は、4年間で学んだ技術や感性や独自の研究テーマを作品としてかたちにするものです。
制作日数もとても長く、卒業して企画、デザインや職人や、販売等、就職していく学生にとっては、
もしかしたらこんなにも長い時間に集中して自分一人でものをつくるのは、
一生のうち、もうないかもしれないのです。
卒業してどんな道に進むとしても、このさき生きていくうえでの自分の核となる時間であるとわたしは思います。


そしてそれら作品を多くの方々に見ていただくために、展示をします。
武蔵野美術大学では、1月24日から、28日まで、全生徒の作品を大学構内で展示します。

そして、私がスタッフとして所属する工芸工業デザイン科の、陶磁、木工、金工、ガラスの4コースは、
港区南青山にあるスパイラルガーデンにて改めて展示をします。
どうか、ご都合つきましたらぜひにと思います。
若い力を感じることができると思います。

「Graduation Exihibition」
2008/2/7-11
11:00-20:00
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
tel 03-3498-1171

完成をこちらで見ていただく前に、完成までの現場の雰囲気を少しでも感じていただけたらと思い、
少しですが写真で紹介させていただきます。

みんなこんな風にして、つくっています。
ちょっと散らかっていますが、「工房萌え」にはキュンかもしれません。


山川詩緒里「灯りを泳ぐ」






宮本麗奈「一筆花器」






大塚真帆「art watch」






萩原朝香「世界地図」




藤森研伍「PLANT」






白鳥陽子「ひょうきん族」






清水恵莉子「気分彩」






日置愛「幻視」






金子弥加「オトバコ」






阿部大輔「K.D chair」






西山大基「偶像」






横山泉「いろとりどりのきもち」






青池茉由子「いつか咲いていたのを見つけて」






木村悠希「pears」






大町彩「drawing dish」




なにかかたちをつくるのに、
ひとつひとつ自分の手でつくることは、
時間もかかり、生産性も悪く、
一見効率の悪い作業に見えるかもしれません。
しかしそれを今のうちに学べば、つくりを辞めて
デザイナーになったとしても、
職人さんに発注をお願いするニュアンスもわかるし、
デザインにも生きてきます。
話変わって、何年か前に、
酉の市で熊手を売るアルバイトをしたことがありました。
職人さんがひとつひとつ、米俵や鯛、招き猫や小判など、
おめでたい飾りを組んでいき、福を呼ぶ熊手をつくっていました。
売り子は、お客さんからねぎられたら答えてあげる、
そのやりとりが粋として、その場の雰囲気で値段を決めていました。
つくりを知らないアルバイトは、
安易に、大幅に値段を下げてさばいていました。
それを見てショックを受けたのをいまだに覚えています。
つくることを知っていたらあんなふうに、職人がひとつひとつ
手でつくったものをばらまくようなことはできないはず。
つくることを知るのは、なにかを生む仕事に就いた時に
とても大切になってくること。
また、つくっていく途中に起こる失敗や予期せぬ驚きは、
ものつくりの新しい種となります。

ものつくりを学んだ学生たちが、このさき、なにを成すか、
なにをも成さないかは分かりません。
ただ、少しでも興味あれば、
ちょっと寄り道していってあげてください。
人間の手が、ここまでの熱量を生み出し、放つことができること
手でつくる意味を感じていただけると思います。














そして最近、ファクトリーガールのコラムで取材させていただいた
Leif.designparkさんとお仕事をさせていただきました。
スタジオキャナルという倉庫型の撮影スタジオの、
門と窓など、鉄の金物仕事の制作と、
デザインもいくつか任せていただきました。
その現場仕事の写真です。
詳細と完成の写真は来月にアップします。

現場はいろいろな職種の職人さんがいて活気があり、
それぞれの専門のお話を聞けたり、
いろいろ教えてもらえたりと、とても楽しいものです。

制作していて思うことは、女手ひとつで何十キロという
門など大物をとり回すのは本当に大変ですし、
一人で作業して鉄の下敷きになる恐怖とか、
なかなかスリリングです。
しかし品物を取り付けて、
空間に貢献できたときの喜びといったら。
その後のビールの旨さといったらなににも代え難い喜びです。

また、自分の持久力と体力とタフさには
たまに惚れ惚れします。
2008年もそんな調子で走っていきたいと思います。
本年もよろしくお願い申し上げます。


studio MIRA (スタジオミラ) 太田彩子

ギター始めました。「禁じられた遊び」から
業務内容 金属を主に用い、パブリックスペースのシンボル
となるような彫刻、装飾の提案、制作
MAIL ota@ayako-mira.com
URL http://www.ayako-mira.com
略歴
太田彩子(1981生)
2005 武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科 卒業
2007 東京藝術大学大学院修士課程鍛金専攻修了
studioMIRA設立


#21 2008.11.15 よみがえらせる人
#20 2008.10.15 久里浜の家
#19 2008.09.15 夏の宿題、自由研究
#18 2008.08.15 花、花、花
#17 2008.07.15 ギフト&トロフィー 展示会に向けて
#16 2008.06.15 築城〜途中編〜
#15 2008.05.15 フラワーデザイン
#14 2008.04.15 編む人
#13 2008.03.15 絵を、イメージを、実物とする2
#12 2008.02.15 アコースティックギター
#11 2008.01.15 卒業制作
#10 2007.12.15 金属の不思議
#09 2007.11.15 背中見せる人
#08 2007.10.15 背中見せる人
#07 2007.09.15 これからの人
#06 2007.08.15 南の太陽の下にいる人
#05 2007.07.15 金歯つくる人
#04 2007.06.15 現代手工業乃党
#03 2007.05.15 古い木造の建物のなかに、ピカピカのお仕事がありました
#02 2007.04.15 絵を、イメージを、実物とする
#01 2007.03.15 みんなのものつくり わたしのものつくり