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こんにちわ。
今回は、荒川区町屋、電解研磨バフ研磨の、加藤研磨さんにお邪魔して、お話を伺うことができました。


1. 外観 とてもしぶいです。レンガの門と、トタンの屋根の木造の工場


2. 中の様子


3. そして年代物の扇風機


4. 品物をひっかけて液につけるための銅製のジグ。こちら、品物の大きさ、厚み、かたちに合わせてそれぞれ作っているそう。また、電気の回りが研磨に影響するため、ジグづくりは経験と試行錯誤の賜です。


5. 液につけている研摩の様子


6. バフ研磨の作業場
60代くらいの職人さんが働いています。研磨業界、加藤さん兄弟30代はかなりの若手だそう。そんな加藤さんもこのお仕事に携わって20年です。


7. バフ機


8. 加藤さんです。いつも思うのですが、職人さんっていい顔してます。目の奥に静かにキラリ光る自信と情熱を感じます


9. バルブ 余りの材料を使って研磨を試してみたり研究しているそう


10. 電解研磨前の溶接焼けだらけの状態


11. 電解研磨をしてもらった作品のドレス キラキラしていて幻想的


12. サビサビの蛍光灯


13. ポンプ


14. こし機


15. 廃液の処理後のスラッジ
荒川区町屋といえば、子供たちがところ狭しと走り回り、
巨人の星の舞台となった街。懐かしの下町です。
荒川区では、同一の職業に30年以上従事し、
また、高い技術と卓越した技能を持ち、
その技術をもって後進の指導育成に力を注いでいる職人を
「荒川マイスター」として表彰していています。
あらゆるジャンルのマイスター
板金、やすりの目立て、刃物の鍛造、
彫金、鋳造、へら絞り、研磨等、
職人の技には目を見張るものがあります。

そんな土地、荒川区で、築70年の木造の工場で
50年も前から研磨業を営んでおります
加藤研磨の二代目社長の加藤勝行さんに
お話を伺いました。
私のステンレスの作品のドレスの
「電解研磨」をして頂いたところです。

さて「電解研磨」とは 
砥石を使って、削り磨いていく研磨とは異なり、
リン酸と硫酸の混ざった槽のなかに品物を入れて、
電気を通して表面を溶かし、
光沢を出す技術のことをいいます。
削っていく研磨よりも
溶かし込んだ分だけ表面が非常に滑らかになるため、
見た目の美しさと共に
ステンレスの更なる耐食効果も期待できます。
(滑らかになり表面の凹凸が極めて細かくなることで
酸化する面積が少なくなり、
汚れや不純物のひっかかりが少なくなりもらい錆を防げます)
また、加工時による微細なバリや切削跡を除去し、
汚れや不純物も洗浄されます。

そこで加藤さんのところでは、
薬品などが通るバルブやタンク、医療器具の
研磨も請けています。
加藤さん「きっと、世の中の衛生に対する考えや基準が
厳しくなればなるほど、うちみたいな技術が
必要とされていくのでしょうね」


先代のお父さんと叔父さんが始めたこの工場、
もとはメッキ屋さんだったそうです。
70年もの間この建物は、人間が働く場所を
雨風からしのいでくれ続けているのですね。
その情緒ある風貌から、
映画のセットとして写させてもらえないか
との依頼もあったそう。
中を見るとますます歴史を感じさせられます。
壁は深い茶色になっており、木造の梁は太く、
天井にはコードが張り巡らされ、
年代物の扇風機や不思議な窓
そして何十年も動き続けるポンプなどが
働く人を助けています。

加藤さんの弟さん「古いのを自慢するつもりではありませんが、
きっと、木造だからこそ建物が保っているんだと思いますよ」

つまり、電解研磨をする際の酸の槽から上がる空気は、
鉄骨の骨組みをも錆びさせてしまうからです。
(写真12参照。槽の上にある蛍光灯の鉄製のシェード。
塗装をしてある部分もだんだんと錆びてしまうのです。)

また、研磨後の廃液の処理をするための、
液を引き込むポンプと、
その液を固形(スラッジ)とするためのこし機。
こちらも何十年も働いているそうです。
廃液の管理、処理にはとても気を使い、
たいへん時間がかかるそうです。
下水道局からのチェックや、機材の配置換えも
勝手にできないほどの徹底的な管理を義務づけられます。
仕事への神経とまた、仕事の前処理と仕事の後の
責任に対する神経も問われるわけですね。
逆に言えば、仕事をすることへの環境に
厳しく気を配れる人間の仕事は、
仕上がりにも反映しています。
加藤さん、ばっちりです。
(写真13-15参照)


加藤さんには私の作品を、とても丁寧に、
心をこめて磨いて頂きました。
アート作品だから製品とは違うという妥協もなく、
このように複雑なかたちでも、試行錯誤をして下さいました。
世の中にあるつくられたモノ それはただのモノでも、
主役でなくても、誰かが一生懸命、試行錯誤して、
技術と知恵と経験を駆使してつくっているのですね。
「メッキに関する文書はあっても、
電解研摩に関する本って、なかなかないんですよ。」
実際にやってみてのお勉強は欠かせません。
また、先代から引き継ぐものも大きいのです。

加藤さんに聞きました。

「品物を納めて、評判良かった、などと聞くととてもうれしい。
お客さんが喜んでくれるようなことをして、信頼を得て、
これからも頑張っていきたい。やりがいを感じます」

お客さんが喜んでくれるようなこと・・・
シンプルなように聞こえることだけど、とても大事で、
とても大変なことですよね。
今回、つくることの意味や責任を
改めて考えさせて頂くいい機会となりました。



株式会社 加藤研磨工業所
所在地 東京都荒川区荒川8-18-8
TEL 03-3806-5531(代)
FAX 03-3806-5547
業務内容 バフ研磨、電解研磨、トリクレン洗浄
サガシモノ 株式会社 加藤研磨工業所

studio MIRA (スタジオミラ) 太田彩子

業務内容 金属を主に用い、パブリックスペースのシンボル
となるような彫刻、装飾の提案、制作
MAIL ota@ayako-mira.com
URL http://www.ayako-mira.com
略歴
太田彩子(1981生)
2005 武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科 卒業
2007 東京藝術大学大学院修士課程鍛金専攻修了
studioMIRA設立


#21 2008.11.15 よみがえらせる人
#20 2008.10.15 久里浜の家
#19 2008.09.15 夏の宿題、自由研究
#18 2008.08.15 花、花、花
#17 2008.07.15 ギフト&トロフィー 展示会に向けて
#16 2008.06.15 築城〜途中編〜
#15 2008.05.15 フラワーデザイン
#14 2008.04.15 編む人
#13 2008.03.15 絵を、イメージを、実物とする2
#12 2008.02.15 アコースティックギター
#11 2008.01.15 卒業制作
#10 2007.12.15 金属の不思議
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#07 2007.09.15 これからの人
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