ホーム > 読みモノ > FACTORY GIRL ファクトリーガール > 太田彩子





最近、知人が中古家具をリペアする倉庫を始めました。
MICHIO OKAMOTO WAREHOUSE/ミチオ オカモト ウェアハウス
ウェアハウス=倉庫。
今回お話を伺ったのは、中古家具の世界でバイヤーや家具の修復を行ってきた
MICHIO OKAMOTO WAREHOUSEの岡本道雄さんです。


岡本道雄さんです。

「MICHIO OKAMOTO WAREHOUSEは
海外から輸入した家具をストックする倉庫兼作業場です。
倉庫は東京都のはずれ、
豊かな自然環境に囲まれた小平市にあります。
毎週の土日は、倉庫を一般公開し
様々な家具を紹介・販売しています。
家具は北欧、ヨーロッパ圏の
1930〜60年代のものを中心に取り揃え、
特に北欧家具は、視覚的な美しさだけでなく
機能面・デザイン性に優れたものが沢山あります。
中古家具には傷もありますが、
新品には無い独特の温もりや美しさがあり、
それを活かしながらひとつひとつ丁寧に修理を行っています。」


商品の数々。



私は、岡本さんがこの仕事を立ち上げるところから見てきました。
ある日突然、その日までがらんどうだった倉庫いっぱいに
椅子や棚、机などがところせましと運びこまれ、
木の香りが広がった倉庫のその風景に、
やや圧巻されたことを思い出します。

岡本さんは、家具をデンマーク、スウェーデン、
フィンランドなど主に北欧で厳選し、
コンテナいっぱいに海を渡って日本へ輸出し、
ひとつひとつ手作業でリペアして、
一般のお客さんや、アパレル、飲食などのショップに納めています。








作業の内容は?


「昔のものはニカワで接着されてることが多く、
椅子などの、使用しているとぐらついてきてしまうものは、
一度解体して、接着しなおしたりのメンテナンスもします。
また、メンテナンスのためにいったんパーツをはずす際、
同じ形に見えても木の反りや癖で、
他の部分に入らなかったり、
木目もキレイに合わせてあったりするので、
慎重に組みなおします。
塗装がはがれていたら、
中古家具の風合いを生かしながら塗装をしなおしたり、
座面などのファブリックやクッション材がへたっているものは、
張り替えもします。」

直すことを自分の手で知っている方が、
家具の買い付けの際の選ぶ目も養われると考えます。
「しかし、買い付けは分刻み。
短い時間で膨大な量を見てまわるので、
どうしても見落としは出てきますね。
パーツの破損や不備、引き出しの鍵がなかったり、
鍵穴が壊れていたり。」
そんな時は、つき板の張り替えや
木目が特徴的な象嵌(ぞうがん)のもの以外は、
自分でたいていなおしてしまうそう。







倉庫内の様子です。雰囲気があって素敵です。

「味は残して、破損は直します。
お客さんんの要望によっては、
新品近くまでもっていくこともありますが、
個人的にはある程度風合いを良い感じに
残す方に魅力を感じます。
新品のような印象にもっていく方が、
サンディングして一皮むいちゃえばいいわけだから簡単です。
でも僕は、古い家具の、
長年いろいろな人の手を渡ってきた
時代背景を感じさせる感じや、
修理しても取り去れない使われてきた痕跡が好きなんです。」





作業の様子。


解体します。

北欧の、主に50年代から70年代のものを取り扱っているそう。
その時代の家具の魅力は?
「シンプルななかにもこだわったデザインのものを探していくと、
北欧のものでした。
ムダをそぎ落とした印象があります。
家具の足がすごく細いのに、
重みに耐えうる強度をもっていたり、
また国外輸出をしていたためパーツが
スクリュータイプになっていて解体できたり、
見た目だけの美しさだけでなく、
機能的な面を備えたものが多い。
使い勝手がとても良いです。
また、自然の中からうまれた素材を
生かしたデザインが好きです。
当時の大量生産の家具なので、材をムダにしていない、
最低限の材料でどれだけ見た目、強度にこだわれるか。
当時からそういった意識を、
家具のつくりから感じとることができます。」



ニカワがついています。解体します。


接着をしなおして

今後の展望は。

「これからも家具を通して皆様に
ここちよい暮らしを提案できればと思います。
また、ホームページ内のコラム欄で、
さまざまなクリエイティブな活動を行っている作家や
アーティストの作業場を紹介するコンテンツを予定中です。
現在では家具の販売と共に、
北欧の家具をメインとしたコーディネイトも行っていますが、
従来の家具やという枠を超えて、
さまざまなアーティストや作家と組んで、
アートワークまで幅を広げた活動を行っていきたい。」



硬化したら塗装をはぎます。まっしろ。


表面をきれいにしています。


塗装をしなおします。


色に深みが出てきました。


出来上がりです。


コレクターさん、おひとついかがでしょうか。



中古家具そのままの状態からリペアされていく様子、
完成するまでを見ていて、驚きました。
自分の目で見て光るものを感じ選びとり、
そのものの良さを生かしながら更に良くする技術と、
どの味を残すべきかを判断するセンス。
できあがった家具は、何十年も前につくった人と、
使ったきた人と、それをなおす人を経て、
新たな出会いを待ちわびているのですね。





MICHIO OKAMOTO WAREHOUSE
http://furniture.michiookamoto.com/
東京都小平市小川町1-2406 倉庫A
TEL/FAX 042-348-1207
OPEN 土曜・日曜/10:00〜19:00
※ 土日以外のご来店希望はご予約の上お越し下さい。
西武国分寺線小川駅より徒歩15分








studio MIRA (スタジオミラ) 太田彩子

鳩ノ巣渓谷です
業務内容 金属を主に用い、パブリックスペースのシンボル
となるような彫刻、装飾の提案、制作
MAIL ota@ayako-mira.com
URL http://www.ayako-mira.com
略歴
太田彩子(1981生)
2005 武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科 卒業
2007 東京藝術大学大学院修士課程鍛金専攻修了
studioMIRA設立


#20 2008.10.15 久里浜の家
#19 2008.09.15 夏の宿題、自由研究
#18 2008.08.15 花、花、花
#17 2008.07.15 ギフト&トロフィー 展示会に向けて
#16 2008.06.15 築城〜途中編〜
#15 2008.05.15 フラワーデザイン
#14 2008.04.15 編む人
#13 2008.03.15 絵を、イメージを、実物とする2
#12 2008.02.15 アコースティックギター
#11 2008.01.15 卒業制作
#10 2007.12.15 金属の不思議
#09 2007.11.15 背中見せる人
#08 2007.10.15 背中見せる人
#07 2007.09.15 これからの人
#06 2007.08.15 南の太陽の下にいる人
#05 2007.07.15 金歯つくる人
#04 2007.06.15 現代手工業乃党
#03 2007.05.15 古い木造の建物のなかに、ピカピカのお仕事がありました
#02 2007.04.15 絵を、イメージを、実物とする
#01 2007.03.15 みんなのものつくり わたしのものつくり