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先月行いました世田谷ものづくり学校での「部屋を彩るもの ホームアクセサリー展」では、
昨年に引き続き、たくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。
本当に、たくさんの方が来てくれました。

今年は11団体による催しで、出展する側からしてとても賑やかでした。
また、額縁の中の作品や、人形に着せる服をお願いしたり、品物そのもののアイディアなど、
数々のアーティストさんの力を添えていただき、ますます賑やかでした。

そんななか私は、私のつくった鉄の黒に、朝日昇さんの絵を飾ることで色を加えてもらいました。
違った世界観を持つ人間が集まった時に、予期せぬ良さが出てくることがあるということを、
感じることが出来ました。

それは現代手工業乃党にも同じことが言えるのだと思います。
皆違うから面白く、違うからこそ分かち合えるものがあるのだと思います。
今回の展示会で、そんな良さを感じていただけたのなら幸いです。


さて今回私がつくったものの紹介です。

大小の鉄の黒い脚立に、コンクリの下地となる異型丸棒を渡して、
真っ赤になるまで熱して黒皮をつけた鉄板を置き、
そのまわりに磁石や定規、ハンマーやペンキバケツを飾りました。
また、ネジを利用してつくった照明と、蛾を模した装飾の照明をぶら下げて。

昨年行われた展示会「誰かの為のギフト&トロフィー」展を覚えてくださっていた方は、
今回のテイストにとても驚かれていました。
前回が女性のため、今回は男性のためと言って、説明となるでしょうか。
鉄のゴリっとしたかんじや色、磁石や定規。
小さな男の子がワーッと寄ってハンマーを手に持って振り回したり、
バケツを持ったままどこかへ行ってしまったりがとても嬉しかったです。



脚立です。脚立の段に板を渡すだけで棚なのです。
それも、たためることの出来る有能な。


設置前。


脚立のパイプをコークス炉で赤めて黒皮をつけました。
意外と手が込んでいることを説明をすると
笑われてしまいましたが、
今回はそんなスレスレな存在感にしたかったので。





磁石風。
鉄の角棒を曲げて、釘やネジを溶接しました。
なので磁石の機能はありません。
壁掛けにしたりペーパーウェイトにしたり、
もっととんがった製品があったっていいじゃないか
という気持ちもあります。




そしてとんがり照明。
必要になって買い足していった釘やネジの余りを仲良く溶接。






ペンキバケツです。
上げ底にペンキを塗りました。入れ物に。




挿せない鍵。
守衛さんなどが腰に鍵束をぶら下げていますが、
鍵自体をつらならせてしまっては機能を失ってしまいます。
アクセサリーですから機能が無くてもいいのです。







定規。
鉄板を切り出して、メモリは一ミリずつ
タガネで刻んでいきました。
はじめ、一センチは計れるようにと
本物の定規と照らし合わせてタガネを打っていたのですが、
ミリをすべて打ち込んだら地金が若干伸びてしまい、
302ミリ定規となりました。
いつか1m定規をつくりたいです。
どれだけ伸びるのか。





ハンマーです。
大きいものは、丸パイプに蓋をしているので中空です。
もとは冷たく硬い製品の感じを、
古い無垢のように仕上げました。
また、柄の方が重くなり、アンバランスさが良いと思いました。





照明です。
笠にネジを溶接しました。
建築家の方に、寝ながらネジの勉強が出来ると言われました。





蛾ランプです。すでに蛾が集まっていたら。
笠は100円均一のステンレスのサラダボールに熱を加えて
底を丸く叩き出し、槌目をつけました。



網戸です。ガガンボくらいはブロックできます。
というより、網戸に絵をひっかけてしまうように、
絵をラフに飾れたらという思いです。
箱に入れて大事にしまってしまうより、もっと楽しいことです。









そして、朝日昇さんの絵です。
脚立の段に乗せたり、網戸にひっかけたり、床に並べたり、
好きに飾らせてもらいましたが、
どんな風に飾っても良い絵は力を放つものですね。

朝日さんはダンボールに、いろいろな国の風景や、
朝日さん独特の視点でとらえたものを表現しています。
鮮やかな色の群れの、隣合う色の配置のセンスが、
個人的には一番好きです。
訴えたいことや、その人の生きていたことの表現と別に、
もともと持っている色の感覚がものすごいと思っています。

















朝日さんの経営する東十条のジムの壁には、
ところ狭しと朝日さんの絵が飾られていました。
「絵を描きたい!」というそれだけの気持ちが、
寝ずに手を動かし、量を生み出します。
作品のファイルや、実物を伺ってまずその物量に驚きました。
その勢いや気持ちは、確実に人の心を動かします。



朝日さんと、朝日さんを紹介してくれた
グリルズジュエルズの秋山さんとクリック君と。



朝日さんの絵と、イーゼル額。


以上、「部屋を彩るもの ホームアクセサリー展」
のご報告でした。

ご来場いただいた方々、協力いただいたアーティストの方々、
協賛いただいた方々、世田谷ものつくり学校の皆様、
コラムを読んでくださっている方々、
現代手工業のメンバーに、改めて御礼申し上げます。
来年もご期待ください。


studio MIRA (スタジオミラ) 太田彩子

業務内容 金属を主に用い、パブリックスペースのシンボル
となるような彫刻、装飾の提案、制作
MAIL ota@ayako-mira.com
URL http://www.ayako-mira.com
略歴
太田彩子(1981生)
2005 武蔵野美術大学造形学部
工芸工業デザイン学科 卒業
2007 東京藝術大学大学院修士課程鍛金専攻修了
studioMIRA設立


#27 2009.05.15 展示会に向けて〜鉄工所の裏庭と朝日昇〜
#26 2009.04.15 西洋家具をつくる人
#25 2009.03.15 工房いじり
#24 2009.02.15 三年目
#23 2009.01.15 モノ思う新年と久里浜の家完成報告
#22 2008.12.15 ギターつくる人(前編)
#21 2008.11.15 よみがえらせる人
#20 2008.10.15 久里浜の家
#19 2008.09.15 夏の宿題、自由研究
#18 2008.08.15 花、花、花
#17 2008.07.15 ギフト&トロフィー 展示会に向けて
#16 2008.06.15 築城〜途中編〜
#15 2008.05.15 フラワーデザイン
#14 2008.04.15 編む人
#13 2008.03.15 絵を、イメージを、実物とする2
#12 2008.02.15 アコースティックギター
#11 2008.01.15 卒業制作
#10 2007.12.15 金属の不思議
#09 2007.11.15 背中見せる人
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