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松山市花園町にあるカフェ・カバレにある
応接セットを張替える事になりました。
預かる間の代わりのソファをTowerから持って行きます。
カバレは雑居ビルの三階にあって、
エレベーターがないのでソファを運ぶのが大変で、
平然を装いましたが、やはり歳のせいか
心臓はバクバク言っていました。
カバレのオーナーさんは
お店に古い味のある家具を並べているので、
オープンして三年とは思えない
落ち着いた雰囲気になっています。
このソファも相当古いのできちんと直すには苦労しそうですが、
そのぶん楽しくなりそうです。
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カバレのソファのファブリックを剥がしていくと、
ウレタンではなく、赤綿やワラが出てきたので
相当古いことがわかります。
多分60年代に作られた物ではないかと思います。
バネを支えている麻のテープも緩んでいるので、
一度木枠の状態まで戻してやることにしました。
ファブリックをとめるのにエアタッカー
(コンプレッサの空気の圧力で打つホッチキスのような道具。)
ではなく五分釘を金づちで打っています。
昔の職人は釘を一握り口の中に入れて
口から釘を金づちの先の磁石に付け
凄いスピードで打ち込んでいました。
僕がかけ出しの頃、ベテランの職人さんがそれをやっていて、
「誤って飲み込んだりしないですか?」と聞くと
「たまに飲んじゃうけどね。」と言いました。
本当なのか冗談なのかわかりませんが、
それ以上は聞けませんでした。
僕も釘を口に入れて真似ようとしましたが、
これは飲み込んだりすることがあってもおかしくないなと思ったので、
冗談だけどそういう事が有り得るよ
という意味だったんだと後から思いました。
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バネはマットレスに使ってあるようなセットバネでしたが、
それを支える麻のテープがユルユルなので
これを新品にして引っ張り直します。
麻テープの片方を釘で止めて
熊手のような専門の道具でテープを引っ掛け、
テコを使ってしっかり引っ張ります。
実はこの麻テープはもう椅子の資材やさんでも
手に入らなくなっていて、
実家の倉庫にある昔仕入れた物を分けてもらいました。
この倉庫にあるあとなん巻きかが無くなると
僕ももうこのタイプのソファを
正くリメークする事が出来なくなります。
クッション材のワラやアカワタは座り心地の事を考えて
ウレタンに交換します。
昔のワラや馬毛をクッションにするやり方は
手で形を作るのに相当なテクが必要だったと
おじいちゃんと同じ家具工場で働いていたおじさんに
聞いた事があります。(僕のおじいちゃんも椅子張り職人でした。)
おじいちゃんはそのテクニックのお陰で仕事を抜け出し
競輪に行ってもクビにならなかったそうです。
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アームの木のウレタンも剥がしてオイル仕上げにします。
久しぶりに昭和中期の工程でソファの張り替えが出来ました。
弟子のシラカタも今Towerでやっているソファとは
中身が全然違う事がわかって勉強になったと思います。
その座り心地はというと、僕の考えでいうと
お尻が沈み過ぎてイマイチですが、
その作り上げていく工程は今のソファとは違う楽しみがあります。
時代を越えておじいちゃんと同じ作業が出来たのが嬉しく、
顔を思い出すきっかけを作ってくれたこのソファに感謝したいです。
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