ホーム > モノ作りの現場から > special source モリソン小林 #040


僕はいつもレンガを貼るときに思い浮かぶのは、やっぱりエルトンおばさんの「黄昏のレンガ路」です。
『あ〜あ〜あ〜、あ〜ああ〜あ〜あ、あ〜あ〜あ〜』
っていうBGMが頭の中を駆け巡りながら、レンガを貼っていくのです。



レンガの種類はいろいろですが、
今回はアンティークスタイルのスリムタイプのレンガです。
レンガを貼るのにまず必要なものは、
レンガを貼るための接着剤
(今回は下地がコンクリートのため、
「ズレナイ」くんみたいな商品名のものを使います)、
レンガがずり落ちてこないように
目地幅に合わせた木っ端を200ケくらい
(今回は15mm厚のもの、これがないと水平が出ないのと、
乾くまで押さえないといけないのでものすごい時間がかかる)
を用意します。



下地のコンクリートと、レンガのひとつひとつに
接着剤をつけていきます。
10分ほど置いてから、レンガを貼っていきます。
木っ端をはさみながら、水平を見ながら、
2mmくらいの薄いベニヤを付け足したりして、不陸を調整します。



きれいに手際良く貼っていくと、仕上がりもきれいです。
時間の目安は約10uを2人で4時間くらいで貼れれば
まあ合格といったところでしょうか。



レンガが貼れたら目地材を入れていきます。
目地材は、レンガと一緒に注文します。
ケーキとかでクリームをつけるやつに目地材を入れて、
絞り出しながら目地を入れていきます。



目地を入れたらそのままでもかっこいいと思うのですが、
指やヘラを使ってならしていきます。
なぜ指かというと、
昔の欧米の職人さんの人差し指の巾はおよそ3/4インチで、
その19.1mmを目安に目地の間隔を決めていたんだそうです。

そんなこんなでレンガが貼り終わる頃になってもまだ、
エルトンおばさんの「黄昏のレンガ路」は流れ続けていたのでした。




那覇空港のちょうど真東にあたる与那原町の小高い丘に「カトリック与那原 聖クララ教会」はあります。
沖縄では珍しい「日本の近代建築100選」にも選出されたモダンデザインの建築です。

1958年、米軍キャンプ内の施設の設計をしていた、建築家の片岡献氏の設計によるもので、
13年前の戦渦の歴史をくぐった丘に、平和への希求を表現して建てられたそうです。



南東に向かっての大きな開口の中に、
黒く塗られたスチールのサッシが構成的につながり、
4色のステンドガラスがモダンアートのような空間
を作り出しています。
この大きなステンドガラスは、
アメリカから海路送られてきたもので、
今年でちょうど50年目を迎えますが、台風や高温といった、
沖縄の厳しい環境にも耐えてきたものです。



そんなモダンな礼拝堂も、お祈りを捧げるのは、
オークのベンチではなくて、畳の上なんです。
畳の上で正座をして礼拝をすると、
なんだかお正月やお盆に帰省して、
家族親戚が集まってみんなで楽しくおしゃべりしながら
ご飯やおつゆを食べるって、幸せなことなんだなぁ、
と思ったりしてしまうんです。
だから畳なんですかね。
沖縄はそうやって、みんなで助け合っていきなさい、
と教えてくれているんですね。

カトリック与那原(よなばる)聖クララ教会
1958年建立。沖縄県島尻郡与那原3090-5

モリソン小林 (1969生)
2001年スペシャルソース設立。
金属、木工、張り、ガラス、樹脂、古布、陶芸と頼まれて出来ませんと言うのが嫌で、身に付けられる技術はすべて会得したいと日々精進を重ねてます。 デザイナーや建築家との共同作業も、感性を高めるために重要な要素になっています。
「iA」にて連載中のマンガ「マーヤさんの日記」もよろしくです。


#049 2008.10 連載マンガ「マーヤさんの日記」
#048 2008.09 KIDS WORKSHOP IN SUMMER 2008
#047 2008.08 しばらく彫ってみます
#046 2008.07 7月、天の川、聖なるもの、そして初めての彫像
#045 2008.06 西麻布ワインバー BROS
#044 2008.05 現代手工業という新語
#043 2008.04 antos
#042 2008.03 the park hunter plus
#041 2008.02 PESCADERIA 銀座店
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