ホーム > モノ作りの現場から > special source モリソン小林 #030




アンティークドアにも色々あって、
オークやパインを染色したものや、
塗りつぶしてあるものなど、
それぞれの使われていた環境によって
風化具合が違います。
染色されたものは補修などは簡単ですが、
塗りものはひび割れたり、
塗料がぽろぽろはがれてたり、
何層にも塗り重ねてあったりして、
補修は難しいとされます。
今回の依頼は、塗り重ねられたアンティークドアを
お店の入り口につけて欲しいと言うことでしたが、
サイズを幅広に作り替えて、
ガラスを入れて中が見えるようにして欲しいという
多難なリクエストでした。



アンティーク家具屋さんの中には、
こういった要望をかなえてくれそうな工房がある所もありますが、
最終的になぜか僕らのところに回って来るようです。
技術的な問題よりも、取り付けが絡むものは避けたい
というのが本音のようです。
この青いドアは裏が緑で、
表の青の方はモールディングがあるんですが、
裏はプレーンといった具合に作りが違うものでした。



幅のサイズを165mm広げるということは、
横方向の部材を新しく作り足すというのが
セオリーだと思うのですが、
このドアの塗り重ねられた味を新規に出すことは難しいため、
使える部材をすべて使う事が必要です。
まずドアをバラします。




下に使うはめ板はサイズダウンして使います。
極力少ない加工で、新規サイズに合わせるようにします。



削り出して、取っておいたモールディングを付けて、
近い風合いを出すように塗り重ねます。



ガラスを入れて組みます。
モールディングを作り直す部分をわずかにして、
既存部材をうまく継ぎ足しします。



裏の緑の方もドアの味に合っている欠けやひびなどは
補修せずそのまま残します。



継ぎ足しした継ぎ目を隠すため、
真鍮の板をつけたいのですが、
そのままの素地ではドアの味に合わないので、
腐食させます。



一度思いっきり腐食させたものをピカールで磨く、
という作業を繰り返すうちにいい風合いになっていきます。



お店に取り付けて終了です。
数カ所新規に作り足した所はありますが、
部材を使えるだけ使っているので、
加工前のドアの風合いをそのまま残すことができました。


アンティークの建具や内、外装材をうまく使ったお店作りは、
全く新しいものだけを作るやり方よりも、主流になりつつあります。
数年前、僕がこういうアンティークの作り替えや、
金属や木の風化のさせ方なんかを教えてくれた職人さんは引退したそうです。
メンテナンスや簡単な補修の出来るところはたくさんありますが、
完璧に作り替えれるところは僕はもうあと2件しか知りません。
今回のケース程度以上なら今の僕の知識では対応出来ないと思います。
独自のアイデアや、自分の技術の応用だけではまかなえないことの方が多いのが事実です。
なんとなくそれっぽくというものが増えつつある中、
いろんな職人さん同士の中での技術交流や継承などが行いづらい状況は
これからも続いて行ってしまうのでしょうか。
アンティーク家具加工の職人さんからの連絡をお待ちしてます。


ランプビルダー ランプとはスケートボードで滑り上がるアール型等の構造物で、
形状はアール状の1/4円型の側面を持つものが
エアウォークを決めるのが好きなボーダーには最も人気で、
その他にはストレートな坂のタイプやそれに手すりなどを取り付けたものもあって、
ノーズスライドやテールスライドといった、
スライド系のトリックを多用するボーダーが好む。
素材は主に木製、鉄製、コンクリート製そして樹脂製の4種類あるが、
予算や移動の有無等のニーズに対応して、ビルダーは製作する。
公園に半永久的に設置するために鉄筋コンクリートで施行するといったおおがかりなものから、
個人客のための車移動が出来る程度のものまでと、
幅広い対応力があるRAMPSHOPなどもある。
スケートボードは日本では「スケボー」とよく呼ばれるが、
ボーダーたちはこれを嫌い、「SK8(エスケーエイト)」と書いてスケートと呼ぶ。
ストリート、バーティカル、フリースタイルなどがおもなスタイルで、
チックタック、マニュアルといった基本トリックから
ハンドプラント、50-50グラインドなどといったトリックを駆使して
ボーダーたちは街を滑り跳ぶ。
現在、メープルのプライウッドを使用したボードが主流の第4世代を過ぎて、
第5世代への移行期となっていて、
多種のランプのあるスケートパークの供給が不足しているために、
新世代の需要に答えられていない状況になっている。
アメリカでは10代における人気のあるスポーツとして、バスケに次ぐストリートスポーツで、
スケートパークの供給率は日本とは比較にならないほどだ。
多くのランプビルダーは、本職を他に持つ。
それを聞くたびに日本は狭いと強く思う。
土地ももちろんだけど、スケートに対しての考え方も。
2007年の今よりも1980年代後半の方が、ティーンのスケーター人口は多かったと思う。

彼らの才能はランプの立体的造形の制作力だけに留まらず、
グラフィティなどの装飾的センスをも併せ持っている。
いつの日か公園やロータリーなどで、いつでも誰でもスケートを楽しめるようになるために、
ランプビルダーたちはその才能をフルに使って、
美観、安全性なども含めた日常の中のスケートの普及に励んでいる。

モリソン小林 (1969生)
2001年スペシャルソース設立。
金属、木工、張り、ガラス、樹脂、古布、陶芸と頼まれて出来ませんと言うのが嫌で、身に付けられる技術はすべて会得したいと日々精進を重ねてます。 デザイナーや建築家との共同作業も、感性を高めるために重要な要素になっています。
「iA」にて連載中のマンガ「マーヤさんの日記」もよろしくです。


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