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ヒイラギの葉にイワシの頭。
2月初め、この取り合わせが前触れもなく団地の入り口に結いつけられていてギョッとした。
この歳になるまで知らなかったのだが、邪気払いの一種らしい。
教えてくれたのは、「温室」を主宰する塚田有一さん。
今回は、植物を手がかりに創作活動を拡げている、塚田さんに話を聞いた。
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塚田さんの活動は、ガーデンデザインをはじめ、
植物を使った空間演出やワークショップ、
また本物の温室を改装したオープンスペース「温室」での企画など、
多岐に及ぶ。
うまい肩書きが思いつかない、不思議なクリエーターだ。
そんな塚田さんが最近、
廃校を再生したIID(世田谷ものづくり学校)の校舎裏の花壇を使って、
「手仕事の庭」を始めたらしい。
その名も「学校園」。
藍などの染料植物、ハーブやシソなど日本の香草類、
さらに「五節供」につかう草花などを栽培し、
土作りから収穫、その活用までの過程を、
関わるさまざまな人々が共有しながら
ワークショップなどを開催していくという。
飾る、植える、食べる、染める・・・
今は違う分野として各専門家が担っている仕事だが、
「植物」をてがかりにつながっているという当たり前だけど、新鮮な視点。
塚田さんは、都会という状況が切り離してしまった何かを
つなげようとしているのかもしれない。
「自然というものづくりの根っこが、
ものづくりの人たちから遠くなっている」
そんな言葉が胸にチクリとくるのは、きっと自分だけじゃないはずだ。
「例えば、草花をモチーフにしたデザインは、その色や形を抽象化する。
でも、本来どこのどんな土で育つのか、
香りや寄って来る虫たちとの攻防や共生といった
その花の背景を知れば、ものづくりも変わってくる気がするんです。」
そんな塚田さんも庭づくりを始めた当初は、
都会の自然の現状をネガティブに捉えていたという。
「でも、今すぐに森を増やすのは無理。
だからこそ、さりげなく自然があるような状況を作る
仕掛けを考えていくことが、その先につながっていく。
五節供の植物栽培も、オフィスのインドア・グリーンといった仕事も、
自分の中ではそんな風に結びついているんです。」
自然から離れてしまっている場所だからこそ、
特別に感じられることもある。
藍染も都会だからこそ、意味あるイベントになるのだ。
同時に、東京の市場は世界で最も多種の植物が集まる
場所のひとつだというメリットもあるという。
「温室」の今年のテーマは「Grand Tour」。
日本や世界各地の、その土地に根付く「植物」と、
それと共にある生活に目をむける。
「雑木林を管理するために
定期的に枝を燃やして炭にしたり、藍で布を染めたり、
そういう生活に近い場所に美しいものがあると思います。」
花活けからフラワーショップの運営、植栽や庭のデザイン、
器やオブジェ制作にいたる植物を通した創作活動へと、
「植物と暮らすこと」の可能性を広げてきた塚田さんの活動は、
「温室」や「学校園」という場所で今、新たな局面を迎えようとしている。
そんなこんなで最近、季節の風習と食べ物が気になりだした。
年越しそば、七草粥、節分は豆まきに巻き寿司(from 関西)・・・
きちんと食べてみたら、今年は冒頭からなんだか清々しい。
「五節供」である3月3日は上巳の節供。桃とよもぎ。白酒でひとつ。
※「学校園」:塚田さんと石田紀佳さんが中心となって行うプロジェクト。
石田さんは手仕事関連の展示会企画などを手がけるキュレーターで、
都心のご自宅で藍の栽培までしているらしい。
「学校園」今後の予定
※「五節供」は、お正月の七草を初めとして、
季節に応じた邪気を払う風習。
※「Grand Tour」は、18世紀イギリスの裕福な貴族の子弟が、
見聞を広めるために行った大規模な国外旅行、グランドツアーから発想を得たテーマ。
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東山風 (1971生) |
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鉄をあつかう技術を幅広く持つ工房で修行。
その後、家具メーカーの企画開発部で試作・特注製作を担当する。
2002年に独立し、個人邸や店舗の金属を使った家具・什器を製作しています。 |
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